歯周病

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Perio歯周病とは?

歯周病は歯を支えている歯周組織に炎症が起きる病気です。お口のトラブルとしては虫歯と並んでポピュラーなものですが、どちらも悪化すると歯を失いかねない怖い病気です。

虫歯と歯周病はどちらも感染症ですが、それぞれの菌の種類や性質は異なります。虫歯菌は歯の表面で活動するのに対し、歯周病菌は歯肉と歯の隙間などに入り込んで活動するため、症状に違いが出るのです。

歯周病が進行すると徐々に歯茎が痩せていき、次第に歯を支えている「歯槽骨」を溶かしはじめます。歯槽骨まで影響が及ぶと歯がグラつくようになり、最終的に歯の脱落が起こることもあります。肺炎や糖尿病、心筋梗塞などの合併症を引き起こすこともあるため、「よくある病気だから」と油断してはいけません。

(※虫歯について詳しくはこちら→リンク「9.一般歯科」)

静かに進行する「サイレントキラー」

歯周病で特徴的なのは自覚症状が現れにくいという点です。食べ物や飲み物がしみる、歯茎が腫れているなどの明確な症状を自覚した時には、歯周病がかなり進行していることも少なくありません。

歯周病は静かに、しかし確実に進行していき健康な歯を損ねるため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。自分では感染に気づきにくいという性質上、歯科医院で定期健診を受けて、効果的に歯周病を予防する、あるいは早めに治療を行うことが重要となります。

歯周病で大切なのは“ならないように予防”すること

一度感染すると、歯周病は自然治癒しません。そのため、歯周病にかかってから治療をはじめるのではなく、かからないように予防することが極めて重要です。歯周病になってしまった場合でも、早期に治療を行うことで進行を食い止めて、元の歯茎の状態に戻せる可能性もあります。大切な歯を守るために、日ごろから歯周病の予防と早期治療を意識するようにしましょう。

Perio歯周病と全身疾患の関連

歯周病は、単に口腔内の問題に留まらず、全身の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。以下は歯周病と関連が深いとされている全身疾患です。

糖尿病

歯周病は糖尿病の管理を難しくすることが知られています。糖尿病患者は歯周病になりやすく、また、歯周病が糖尿病の血糖コントロールを悪化させることがあります。

(※歯周病と糖尿病の関連について詳しくはこちら→リンク「25.糖尿病」)

心血管疾患

研究によると、歯周病は心臓病や脳卒中のリスクを高める可能性があります。歯周病による炎症反応が血管の状態に影響を及ぼし、動脈硬化を促進すると考えられています。

妊娠中の合併症

妊娠中の女性が歯周病(妊娠性歯周炎)にかかると、早産や低体重児出産のリスクが高まる可能性が示されています。当院ではマタニティ歯科を行っていますので、ご自身と生まれてくる赤ちゃんの健康のため、妊娠中のお口を清潔な状態に保ちましょう。

(※マタニティ歯科について詳しくはこちら→リンク「23.マタニティ歯科」)

Perio歯周病の進行と症状

歯周病は以下でご説明するように徐々に進行していきます。基本的には、早めに治療をはじめるほど元の歯茎の状態に戻せる可能性が高まります。重症化するまで気がつかないことも多いため、症状の有無にかかわらず、定期的な受診をおすすめします。

軽度(歯肉炎)

歯茎に炎症が起きている状態で、歯茎が赤く腫れたり、わずかな刺激で出血が起こったりします。歯肉炎の影響で歯茎が後退すると歯周ポケットが深くなるため、歯石やプラークの蓄積が進み、歯周病を悪化させます。

痛みなどの自覚症状がほとんどないため、症状から歯周病を自覚するのは困難です。ただし、この段階で治療ができれば元通りの歯茎に戻せる可能性が高いです。

中等度(軽度~中度歯周炎)

歯茎の炎症が長期化すると、歯を支えている歯槽骨を溶かし始めます。歯槽骨が溶けだすことで歯茎が下がり、歯が長く見えることもあります。

こうした状態を放置すると歯の安定性が低下していき、歯茎からの出血や痛み、口臭などが目立つようになるほか、歯がグラつくようになります。この段階で歯周病を疑って受診される方が多く、他の歯にも歯周病が広がっているケースも少なくありません。

重度(重度歯周炎)

骨の大部分が溶けてしまい、内部に膿が溜まった状態です。歯は非常に不安定な状態となり、出血や痛み、口臭などの諸症状がより顕著になります。咀嚼にも影響が出はじめ、さらに放置すると歯の自然脱落が起こることもあります。

当院ではできるだけ天然歯を残すような治療を行っていますが、ここまで進行してしまうと元の歯茎に戻すのは難しいため、場合によっては抜歯もやむを得ません。大切な天然歯を守るためにも、悪化する前に受診ください。

Perio歯周病の治療

プラークコントロール

歯周病の治療・予防の基本は、普段のセルフケアによって口内を清潔に保つことです(プラークコントロール)。歯周病の治療と同時にブラッシング指導を行い、歯ブラシの選び方、・磨き方、デンタルツールの活用などについて、お一人おひとり丁寧にお伝えします。初期段階の歯周病では、効果的なブラッシングで改善することもあります。

SRP(スケーリング・ルートプレーニング)

専用の器具を使用し、プラーク(歯垢)や歯石などの汚れを取り除きます。歯周ポケットの内側や奥歯の裏側など、普段の歯磨きでは落としきれない汚れも除去できるため、歯周病の有無にかかわらず、定期的に歯科医院で健診を受けると良いでしょう。

フラップオペ

深くなった歯周ポケットはプラーク・歯石などの汚れが溜まりやすく、歯周病のさらなる悪化を招きます。しかし、深化の進んだ歯周ポケットの汚れは、通常の歯ブラシやSRP用の器具では除去が困難です。

除去の難しい汚れの除去には、「フラップオペ」という外科的処置を検討します。フラップオペでは歯茎を切開し、歯の根元に付着した歯石・プラークを直接除去し、再度歯茎を縫合します。

抜歯

重度の歯周病では、無理に歯を残すことで他の歯へ悪影響を及ぼすことがあります。やむを得ない場合には抜歯をご提案することもあります。

メンテナンス

歯周病はなってから治すのではなく、ならないように予防することが大切です。歯周病の再発を防ぐためには、治療後の定期的なメンテナンスが効果的です。患者様のお口の状態にもよりますが、3ヶ月に1回程度を目安にメンテナンスにお越しいただくと良いでしょう。

(※予防・メンテナンスについて詳しくはこちら→リンク「11.予防・メンテナンス」)

口内環境のチェック・改善

歯並びや噛み合わせが悪かったり、補綴物(詰め物・被せ物)に隙間ができていたりすると、その隙間に汚れが溜まりやすくなるため歯周病のリスクを上昇させます。

適宜調整を行うほか、適切な治療をご案内することもあります。

(※噛み合わせの治療について詳しくはこちら→リンク「11.噛み合わせ治療」)